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『原始反射 ~子どもの成長との関わりについて~』

2024/01/18


 こんにちは!セレッシュル上前津 作業療法士の磯和です。
さて前回は原始反射について、それがどういうものか簡単にお話させていただきました。
今回はその原始反射がどう子どもの成長に関わってくるかをお伝えしたいと思います。



 そのお話をするためにここで少し“脳”の話をさせてください。
人間の脳は大脳、小脳、脳幹というふうに分類できます。多くの方が脳ときいて想像するのは大脳ではないかなぁと思います。
 大脳は記憶や思考、感情のコントロールを行っている部位で、この脳があるおかげで人は言葉による高度なコミュニケーションや緻密な計算、細かい指の運動などを行うことができます。
ちなみに小脳は運動を精密に制御する役割があります。しかしこの大脳や小脳がしっかりと成長し、機能を発揮するためにはその土台となる部分が必要です。

 その土台となるのが”脳幹”という部分です。脳幹の役割は呼吸、心拍、消化、体温調節など、つまり生命維持のために欠かせないのがこの部分です。



 そしてこの脳幹は別名”反射的な脳”と呼ばれており、人が無意識に命をつなぐことができるような機能がたくさん詰まっています。
 酸素を吸わないと!とか心臓を動かさないと!なんて自分で頑張らなくても決まったリズムで呼吸もするし心臓も止まらずに動いてくれますよね。原始反射もそんな機能の一つです。
 ただし原始反射が必要なのはまだ自分で考えたりする力が弱い赤ちゃんの時だけなので本来成長し運動機能が備わってくれば自然に消失していきます。

 つまり原始反射が消失するというのは脳幹の発達がうまくいっている=考えたり、運動したりするための大脳や小脳が発達するための土台ができているよ!という意味があります。
逆に本来消失していなくてはならない反射が残存してしまっている場合は脳が発達していくための土台がまだ不安定だよ~ということになります。




 脳を木に例えると、脳幹は土台となる根っこや幹の部分大脳や小脳は枝の部分にあたります。枝をのばして花を咲かせるにはそれに見合った根っこや幹が必要ですよね。いくら枝の部分をのばそうと頑張っても根っこや幹が細かったらうまく育ちませんし、無理に枝を増やしたら折れてしまうかもしれません。

 子どもの脳も同じです。集中力や勉強、手先の細かい運動などはもちろん大切ですがそれは“枝”の部分、大脳や小脳の領域です。“幹”となる脳幹が育っていない子どもにいくら勉強をさせようと、厳しくしつけようとそれは子どもからしたら無理な相談というわけです

 その根っこや幹の部分がしっかり育っているかを確認するための方法が原始反射をみる。ということで、もし原始反射が残っていた場合、それを取ってあげるトレーニングをすることが子どもたちがのびのびと枝をのばし才能や個性という花を開かせるための第一歩になります。

 いかがでしたか?
原始反射をみるのが大切なのはなんとなくわかったけど、具体的にどうやってみたらいいの?とかどうやってトレーニングしたらいいの?そもそも無くせるものなの?といろいろ疑問もあると思います。
そのあたりについてはまた次回以降こちらのブログで書いていきたいと思っています。
それでは今回はこの辺で!
読んでいただきありがとうございました。
作業療法士 磯和海里